2024.09.27
バリデーションの完全ペーパーレス化をお手伝いします
真のペーパーレス・バリデーションとは?
掲載日: 2023年10月26日
現在バリデーションは製薬企業の製品品質を維持、向上するための重要な鍵となっている。
各種規制、監査への対応や原料、サプライヤーの管理と、時として生産性向上とのバランスをとる事が大きな悩みとなっているのではないだろうか。
このような状況でバリデーション活動は現在大きな転換点を迎えている。
Industry4.0やPharma4.0、政府指針のDX化等に代表される産業界からの圧力もあり、
紙ベースのバリデーションからペーパーレス・バリデーションへの転換だ。
紙ベースのバリデーションはヒューマンエラーを招きやすい。生産効率を阻害するのと、
コンプライアンス・リスクを増大させ、市場投入までの時間を妨げている。
一貫性のないリスク管理に伴う高いコスト、バリデーション文書のトレーサビリティー監査、
製品のライフサイクル全体を通じてバリデーション状態を維持するために時間のかかる変更管理と継続的なクオリフィケーションなど、
膨大な課題に直面している。
実際、従来の紙のベースバリデーション・コストは、プロセスに新しいシステムを設置するのに必要な総コストの約3分の1を占めることがある。
製薬企業はこれらの問題によりコスト換算すると年間数十億円の損失を被っている。
製薬企業のペーパーレス・バリデーション化における現在の課題について、さらに深く考察する。
ペーパーレス・バリデーションとは?
バリデーションにおけるペーパーレス化は、ライフサイエンス企業におけるすべての機器、ソフトウェア、スプレッドシート、ユーティリティー、洗浄そしてプロセスをFDA、EMA、WHO、PMDAの定めるルールに確実に対応するための現代的な手段である。これは、すべての段階を記録するために紙の束に頼っていた従来のバリデーション形式からの転換である。
ペーパーレス・バリデーションの素晴らしい点は、品質を向上しながら生産性を高めることだ
コンプライアンスの強化:企業の規制リスクを低減し、データ完全性を保護
バリデーションコストの削減:プロセスを高速化し,事務処理をなくし,印刷を節約し,物理的な保管スペースを低減し,文書スキャンの必要性を回避
バリデーション状態維持の合理化:日常的な更新と検査により、バリデーション状態の維持に必要な時間を短縮
監査の迅速化:よりスムーズな監査プロセスのために、データへの即時アクセスを提供
標準化された文書作成:GAMP5®のようなGMPガイドラインやフレームワークに沿った、文書化を実践
容易な管理:リアルタイムのデータアクセシビリティが効率的な管理を可能に
環境に配慮:紙の使用を最小限に抑え、印刷、捺印、保管、送付、廃棄等物理的な文書管理の必要性を排除
つまり、ペーパーレス・バリデーションは、専用のデジタル技術を活用してバリデーション・プロセスを合理化・最適化する一方、物理的な書類作成への依存を減らすものである。このアプローチには、コスト削減、効率化、データ精度の向上、環境フットプリントの削減など、多くのメリットがある。
バリデーションのペーパーレス化を可能にするシステムとは?
製薬企業が抱える疑問と同様にISPEも次の疑問を抱えていた、「ペーパーレス・バリデーション・システムは、紙を1枚も印刷することなく、
試験の作成、承認、実行を可能にするというものです。この “ペーパーレス・バリデーション “という言葉は、20年ほど前から話題にあがっているが、
本当にそこに到達しているのだろうか?」という物です。
市場には、バリデーション・プロセスをペーパーレス化すると謳うツールがいくつかあるが、
マーケット・リーダーである、我々ValGenes Validation Lifecycle Management System (VLMS)が
真のペーパーレス・バリデーションシステムであると考えている。
VLMSはバリデーションのライフサイクル全体を電子的に管理し、紙ベースのプロセスを悩ませる非効率性を取り除くように設計されている。
この100%ペーパーレスのバリデーション・ソリューションは、既存のプロセスや手順を最適化し安定させることで、
バリデーションにかかるコストを削減する。
VLMSの利用者は、ValGenesis VLMSを導入し、利用するだけで、バリデーション・ライフサイクルのプロセス効率が50%以上
向上されたと述べている。
なぜ紙はまだ完全になくならないのか?
ライフサイエンス業界は、様々な理由で紙の山を貯め続けている。
1997年、FDAは電子データの概念が台頭してきたため、電子記録と電子署名に関する21 CFR Part 11を導入した。
最も重要なのは、この規制によってデータが正しく、必要なチェックとバランスが保たれていることだ。
今、私たちは電子データに溺れている。しかし、まだその電子データを活かしきれていない、
多くの組織がいまだに大量のデータを必要以上に印刷し、押印をして、ファイルしている。
21 CFR Part 11に準拠した『ペーパーレス』システムを持っているにもかかわらず、このようなことをしているのだ。
それはなぜか? 組織の自然な保守的な性質が、あまりにも多くの “もしも “を未解決のままにしているからだ。
・システムがクラッシュしたら?
・検査官が紙のコピーを欲しがったら?
・もし、時間内に情報を見つけられなかったら?
・どのデータやファイルが、公式なものなのか識別できるのか?
・査読のしにくさ
・データ保存のコスト
これらの “もしも “に対して「紙」の答えを持っていることは一見良いことのように思われるが、
適切なリスク・アセスメントでは必ずしもすべての “もしも “を高リスクと見なすわけではない。
また、紙の印刷のような解決策を要求されることもないだろう。
しかし、保守的な声が勝つことの方が多い。リスクは高いと考えられ、その解決策は「PDFを印刷するか、別の “電子 “文書管理システムに保存するか、フォルダにポンと入れてしまおう」ということが多い。
もちろん、データ、特に製品関連の情報を安全に保つために、バックアップや災害復旧計画は必要だ。しかし、あるシステムから別のシステムへすべてのデータを転送することは、技術的負債とデータの肥大化をさらに増やすだけであり、データ管理の問題をこれまで以上に悪化させ、データ完全性の脆弱性リスクの増大に拍車をかけている。
ValGenesisVLMSを利用する事でこのようなもしもに対する解決策を一つ一つ紐解いていこう。
・システムがクラッシュしたら?
VLMSは完全にクラウド型のシステムで、顧客のデータは自動的にフルコピーデータが2カ所の物理的に離れたサーバーへ格納される。
運用開始から約20年間が経過した現在、データ消失経験はただの1度たりともない。
・監査官が紙のコピーを欲しがったら?
全ての試験記録は発行時のタイムススタンプ付のPDFにて閲覧又は印刷が可能だ。
担当者は監査官の要求に応じてこれらの操作を行う事ができる。
・もし、時間内に情報を見つけられなかったら?
VLMSのユーザーインターフェースは直感的に操作可能で、格納構造もシンプルだ。
専門の部署に確認をとらなくても、情報を見つける事ができる。
また、検索エンジンも強力で紙の管理に比べ、必要な情報を取得出来るまでの時間は大幅に短縮することができる。
・どのデータやファイルが、公式なものなのか識別できるのか?
VLMSの一つの利点はドキュメントマネジメントシステムが既に備わっている点だ、
最新の情報、過去の履歴、改訂者、改訂理由等、紙の情報とは異なり、
紙面に上がっていない情報を付与、管理(ダウンロード、印刷制限等)することが出来る。
・査読のしにくさ
VLMSは、事業のワークフローを自動化し、承認された書類のフォーマットや部分フォーマットをライブラリに保存し使用しできる。
ライブラリを使い書類やプロトコルの作成時間を短縮でき、システム内で確実にチェックできるように設計されている。
重要な問題は誤字脱字ではなく、逸脱管理とデータの完全性である。
逸脱が生じた際に、影響する書類や他のプロセス、システムが一目で分かるトレーサビリティマトリックスをVLMSが自動的に作成し、
管理者の手助けをしてくれる。
・データ保存のコスト
紙のデータ保存のコストと消失リスク、またその両方と比べ、VLMSの利点はあきらかだ。
ユーザーは無制限にデータを利用可能な状態で保存することが出来る。
21 CFR Part 314.420や21 CFR Part 814.46などの規制では、承認後または製品の販売停止後、
少なくとも2年間はデータを保管することが推奨されている。しかし、多くの組織は15年以上データを保持し続けている。
問題は、このようなアーカイブの施策がしばしば信頼性に欠け、企業がいつデータを捨てるべきかを見極めるのが難しいことだ。
そのため、長年にわたって収集したその他のデータとともに、使用期限を過ぎた古いシステムをずっと保管しておくことになる。
そしてこれらはすべて、監査人が掘り起こすのが面倒な古いデータを欲しがるかもしれないというわずかな可能性のために行われる。
それを恐れているのであれば、問題の根本を突き止め、その恐れを和らげる方法を考えなければならない。
・ペーパーレスの未来
これまで述べてきたことから、ペーパーレス・バリデーションの未来への道は、3つのポイントにかかっていることは明らかだ
1.適切な技術を得る。
2.そのテクノロジーを活用するために、社内のプロセスを調整する。
3.その新しいプロセスを信じる。
これら3つのステップを踏むことで、ペーパーレス・バリデーション・システムは実際に真のペーパーレス・バリデーション環境につながる。
現在のテクノロジーでバリデーションの真のペーパーレス化は可能か?
もちろん可能だ。
例えば、ValGenesis VLMSを使用すると、リスク・ベースの原則に基づいて構築されたバリデーションへの包括的なアプローチを利用できるようになる。VLMSは、要求評価、機能評価、システム評価など、さまざまなレベルの評価を実施することができ、必要なバリデーションの最も適切なレベルを決定することができる。
自動化機能も有しており、デシジョンツリー評価による先進的な文書作成手法を提供し、バリデーションプロセスにおける推測を排除する。
もう一つの機能は、簡単にナビゲートできるプロセスマップを使って、変更タイプ別に分類されたさまざまな変更管理プロセスのワークフローをシームレスに接続できることである。この機能により、バリデーションプロセスの正確性と効率性を確保しながら、業務を簡素化、合理化することができる。
また、VLMSは効果的なコラボレーションを促進し、アジャイル、ウォーターフォールモデル、リニア、その他ビジネスの特定の要件に沿ったバリデーション手法に対応する。さらに、このシステムは第三者との共同作業もシームレスに統合することが可能のため、開発、テスト、クオリフィケーション、業務全般をスムーズに同期させることができる。
したがって、VLMSを採用し、品質プロセスを実行することにより、規制コンプライアンスを大幅に強化することができ、それによって、すべての品質プロセスが規制や標準に沿ったものとなる。このシステムは、標準化のレビュー、事前承認されたワークフロー、容易にアクセス可能な監査トレイルメタデータを通じて、品質向上を促進する。
VLMSを使用する事で生産性や投資収益率が向上できるのか?
我々はVLMSについてしか話すことができないが、いくつかの向上実績を持っている
真のペーパーレス・バリデーションとは?
ほとんどのソリューションは、バリデーション・プロセスのデジタル化、つまりプロセスを紙からデジタルへと移行させるという点で、
許容できる仕事をしている。そしてそれらはすべて、組織の効率性と有効性を高めるプロセスの再設計を示唆し、可能にしている。
しかし、私たちがデジタル化について語るとき、それは次のようなことだ
・要件管理とテストケースおよび設計仕様へのトレーシング
・役割ベースのセキュリティとワークフロー管理
・電子署名
・電子文書バリデーションの成果物
・自動テスト・ソフトウェアや要件ライフサイクル管理との連携
・トレーサビリティとリスク評価またはリスク・プロファイル管理
・スクラムとアジャイル・アプローチによる開発、テスト、リリース管理
つまり紙からデジタルへの移行をするだけではなく、システムを利用するだけで規制へ対応し、データ完全性を確保し、
生産効率を高め、コストを削減できる事こそがデジタル化と考えている。
そのためには、ValGenesis Validation Lifecycle Management System(VLMS)をお勧めする事が出来る。
ValGenesisはバリデーションで完全ペーパーレス化をお手伝いします。
ValGenesisは、お客様のバリデーション・プロセスを完全ペーパーレスのバリデーションシステムに変革するお手伝いをいたします。
ValGenesis VLMSは、世界中のライフサイエンス分野における業界標準のデジタル・バリデーション・プラットフォームです。
標準化の実施、データの完全性の確保、リスクの低減、品質コストの削減、コンプライアンス体制の強化が可能です。
本ブログに含まれる意見、情報、結論は、決定的な事実、ValGenesisがアドバイスを提供するもの、将来の結果を示唆するものと解釈されるべきではありません。